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納期遅れや徹夜が常態化「負け戦」の工場を継いだ3代目の生産管理改革
精密板金加工を得意とする鹿児島ケース(鹿児島県日置市)。3代目社長の居迫伸孝さんは、先代の急逝をきっかけに事業承継しました。当時、会社は債務超過状態。生産現場では納期遅れが多発し、徹夜・残業が常態化していました。世界的ベストセラー『ザ・ゴール』に感銘を受けた居迫さんは、生産管理の大切さを繰り返し伝え、社員の気づきを促していったところ、納期遵守率が次第に向上していきました。輸送費を削減して利益を残すこともできるようになり、債務超過状態を前倒しで解消することに成功しました
木工業で創業2代目は半導体や食品関係の部品製造へ
鹿児島県西部、薩摩半島のほぼ中央に位置する日置市吹上町にある鹿児島ケースの本社・工場
「鹿児島ケース」は精密板金加工の技術を駆使して機械部品を製造する会社です。金属製の薄い板を複雑な形に高精度で加工し、完成した部品を機械メーカーに納めています。顧客は県外が圧倒的に多く、その5割は九州、4割が中国・関西、1割が関東です。
鹿児島ケースの創業は1985年。初代の居迫政清(いざこ・まさきよ)さんが、木製の食品ケース製造を中心とした木工業として創業しました。その後、精肉店や市場などで使用する冷蔵機能が付いたステンレス製の商品陳列ケースの製造を手がけるようになりました。
初代の息子、2代目大作(だいさく)さんの時代になると、従来商品の製造と並行して、当時需要の伸びが予想された半導体関連・食品関連の部品製造にも参入しました。
その後、顧客を全国各地に広げ、1999年には本社・工場の規模を拡大するために、現在地に移転しました。
現在は従業員50人で、月産5000品目、25000点の部品をチームワークによって製造しています。機械で金属板を切って曲げて終わりではなく、職人の手作業も必要な複雑な形状の部品をつくることを得意としています。
請け負う部品は多品種小ロット。通常、小ロットで複雑な形状の部品をつくると価格が割高になりますが、鹿児島ケースでは高い技術と徹底した生産管理によって、小ロットでも比較的リーズナブルな価格で商品の提供を可能にしています。
これらの部品は半導体製造装置をはじめ、回転寿司の巻き寿司を作る機械、ペットフードを充填する機械、医療関連機器など、さまざまな機械の部品として使われています。
鹿児島ケースは2020年度、経済産業省が選定する地域経済の中心的な担い手候補となる地域の中核企業「地域未来牽引企業」に選ばれました。2022年には、顧客本位に基づく卓越した業績を生み出す経営の仕組みを追求した企業として「鹿児島県経営品質賞 奨励賞」を受賞しました。
順風満帆に見える鹿児島ケース。しかし現在のように評価される企業となるまでには、3代目伸孝さん(35)の並々ならぬ苦労と努力がありました。
2代目の急逝で事業承継「負け戦だから」と止める社員も
伸孝さんが事業承継したのは2015年1月21日でした。父・大作さんが2014年の年末に病に倒れ、年明けに亡くなってしまったのです。
そのころ、伸孝さんは横浜市に日本法人を置くドイツの総合板金加工機メーカーで働いていました。一度横浜へ戻って荷物の片付けをして、社長をしながら仕事の引き継ぎをしようと考えていましたが、当時の上司に止められたと振り返ります。
「『そんな余裕があるわけない。社長の仕事を甘く見過ぎだ』と言って、そのまま鹿児島に残ることを勧めてくださったんです。父が亡くなってからは一度も横浜に帰ることなく社長に就任して、状況が少し落ち着いた4月ごろに横浜に行き、デスクの片付けをさせてもらいました」
横浜に戻らず社長に就任したのにはもう一つの理由がありました。当時の鹿児島ケースは、債務超過状態でした。リーマンショックをきっかけに設備投資の返済が重くのしかかり、会社の業績が悪化していたのです。
大作さんは亡くなる前に事業再生計画書を策定していました。取引金融機関へのプレゼンテーションを終えて、あとは金融機関から同意書へのサインをもらうだけ。その矢先に亡くなってしまったのです。
伸孝さんは、事業承継して父の作った事業再生計画を実行し、会社を立て直すことを決意します。しかし、伸孝さんを子どものころからかわいがってくれた社員たちは「もう帰ってこないほうがいい」「負け戦だよ。厳しいよ」と口々に止めたそうです。それでも伸孝さんの決意は変わりませんでした
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