年々激化する「中学受験戦争」…開成中学に入学後「無気力状態」になって落ちこぼれた生徒の「その後」
2月に行われた首都圏の私立中学の受験。少子化が叫ばれている中、首都圏のいわゆる「お受験」は年々その激しさを増している。
受験日まで勉強をして、無事合格できれば4月からは全く新しい環境での生活がスタートするのだが、受験は終わってからが本番でもある。志望校への合格がゴールではない。
今までの毎日苦しい受験生活をしていた反動で無気力状態になり、どんどんと落ちこぼれていくこともあるという。
そんな状態になってしまった人は、その後どのような学生生活を送るのか。言わずと知れた、都内名門中高一貫校『開成中学校』に入学したものの、勉強をしなくなってしまったMさんに話を聞くと、『燃え尽き症候群』に近い症状もあったとは思うが、それとは別に慢心もあったという。
「私が通っていた開成中学は放任主義の学校で、勉強をしなくても怒られません。人生で最初の受験に合格し、自分はできるヤツなんだという自信があったので、入学した後はひたすら遊んでいました。それまで十分に頑張ったし、その反動でゲームしかしない生活です。周りも似たように遊んでいたので、これが成績下落の原因だとは思いませんでした」
どれだけの名門中学校に入学してもやはりまだ子供である。普段の生活は、他の男子中学生と大差はない。学校側も生徒の自主性に任せた放任主義であるため、友達が遊んでいたこともあり、自然と勉学から離れた学校生活を謳歌するようになった。
「地元で一番勉強ができるみたいな人が入学する学校なので、僕みたいな中途半端に勉強ができる人の成績は落ちていきます。周りはとんでもなく勉強ができて、要領がいい人ばかりで、学校の授業だけでも十分に成績を保つことができていました。大学受験が近づくまではこのままでいいやと、何もしない生活を続けます。卒業生の進路実績を見て、自分もいい大学に入学できるだろうと学業に対して楽観的になっていたと思います」
どれだけ勉強ができていても、同じ中学に入学するとテストの結果で差は明らかになる。
入学できること自体が凄いことではあるが、同じ空間に天才集めて、同じ問題を解かせると、どうしても能力の差を身に染みて感じるようになるという。
開成中学校は、中高一貫校なので高校受験は基本的に無く、エスカレーターで高校までは進学ができることもあり、怠惰な生活は続く。
卒業生が『いい大学』に進学している実情を見ると、『自分もどうにかなる』という甘い考えへと陥ったのだと語る。
「元々勉強が好きな人も多かったです。数学が好きで、独学で高等数学の勉強を続けている人もいますし、漢字が好きで漢検の勉強をしている人もいます。僕のように少し勉強ができるだけの人は、もうこれでいいやと感じている人もいました。周りの人が、みんな勉強ができる空間で生活をすると段々と学業に対して諦めを感じてきます。酷い人だと学校へは来なくなります」
勉強に対して、抵抗を持っていない、好きで続けられている。こうした努力ができる人は周囲の環境が変わっても同じように勉学に打ち込める。また、好きでやっているため、成績の伸びも人より良くなる。
Mさんは、同級生との差を感じ中学2年の頃にはテスト中は名前を書いて寝て終わるだけの生活をするようになった。同じように落ちこぼれになる人間はそもそも学校へは来ないため、自然と成績は学年の最底辺になっていったという。
その後も勉強に身が入らず、高校も同じような生活を続けた結果、成績は最下位近辺をさまよい、結局大学受験も失敗。周りが有名大学に進学する中、都内にある偏差値50程の大学へ進学したのだという。
「結局どこかに、自分は開成に入れたという慢心があったんだと思います。ちょっと頑張ればすぐに挽回できると思ったんです。しかし、そんな甘いものではありませんでした」
大学に入った後も勉学に身が入らなかったMさん。大学を中退し、現在は高校時代のつてで知り合いの会社で働いているという。
生涯ずっと頑張り続けられる人は少ない。子供が次のステップに向けて頑張れるように一休みの時間を作ってあげたり、支えてあげたりすることも大切だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8163e79c30872761ca02b499369ce6f4d901302e
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